片思いの歌




ボクらは歌をうたう。
嬉しいときにうたう歌、悲しいときにうたう歌、一人でうたう。みんなでうたう。
人は何かを忘れるために歌をうたう。
人は何かを思い出して歌をうたう。
きっとそれぞれ理由はあるけれど、みんな違うからそれは当たり前。
歌をうたって感動して、歌をうたって大笑いする。
そんな中でボクたちがしてきたことは、きっといつまでも変わらないから。
遠くにいて、近くにいて、歌はどこでもつながってるから。


歌は何度でもうたえる。君が忘れないかぎり何度も。
それをもう1度みんなでうたうときまで、やっぱりボクらはつながっている。
うたった後もずっと、ずっと。
君がもしボクを忘れたとしても、歌はボクらを忘れるだろうか。
嬉しいときも、悲しいときも、歌はいつも一緒だよ。
だからせめて、歌の中だけでいいから忘れないでほしい。
あの日うたったボクらの歌を。
「好きだよ」とうたったあの日のことを。


ボクらは歌をうたう。
あの日歌った小さな歌を。
君と一緒にうたった歌を。
小さな小さな片思いの歌。


-End-

by Ria. from04/11/22