てのひら
君の小さなてのひらは、細くて傷だらけで
ただそれだけで僕は、守ってあげたいと思った。
少し照れて差し出す君のてのひらは、少し冷たかった。
でもそのとき僕は、君の小さな冷たいてのひらが心地よくて
ずーっと握っていたいと思った。
たった15秒だけの感触。
陽気な音楽と共に、その15秒が僕の気持ちを高ぶらせ
そして君は、僕から離れていく。
もう2度と回ってこない順番。
僕のてのひらには、まだ君の感触が残ったままだった。
追記
そんなに動揺しなくていいよ?
いつまで君はそうしているの?
こっち向いてよ。手をつなごうよ。
そんなに顔を赤くしないで。僕はもう照れてないよ?
話したいことがあるよ。だけど少し遅かったかもね。
話があるなら聞くよ?あとは君次第。
さぁ続きを踊ろう。
そう思ったけど、もう終わりなんだね。
またね。来年もきっと一緒に踊れるよ。
そのときまでにはっきりしてね。ばいばい。
-End-
by Ria. from05/9/17